システムをフルバックアップしたい

1998/06/28
Q:(一郎兄さん)
 のぶさん、MOを買ったんで、何かの時のためにハードディスクを全部バックアップしておきたいのだけど、どうしたらいいのかな?

A:(延さん)
 通常のバックアップなら、Windows付属のバックアップツールでもいいし、市販ソフト、シェアウェアソフト、フリーウェアソフトなど沢山ありますし、それこそただ普通にコピーしてもいいわけですが、ハードディスク全部となると事情が大分違います。ハードディスク全部ということはシステムそのものもバックアップしなければならないからです。

Q:(一郎兄さん)
 システムというのは、Windows95自身ということかい?

A:(延さん)
 そうです。つまり今稼働中のプログラムが対象になるので問題なのです。あえて言えば、バックアップはまだいいのですが、問題は復元(レストア)です。バックアップの場合はバックアップ対象を読めばいいだけですから、一部の特殊なファイルを除いて稼働中でも「読み込み」は許可されているので何とかなります。しかしレストアの場合は「書き込む」必要があります。稼働中でも書き込みをする方法が全くない訳ではないのですが、大変難しい手続きが必要であまり現実的ではありません。バックアップができてもレストアができなければ何の意味もないですから、これでは困ります。

Q:(一郎兄さん)
 そうするとMOがあっても、システム全体をバックアップする方法はないのかな?

A:(延さん)
 それがあるんですよ。要はハードディスク上のWindows95のファイルを一切使わないでOS(システム)が立ち上がればいい訳です。まさしく起動ディスクがそれなんです。起動ディスクで立ち上げた状態なら、稼動してるのは起動ディスク上のシステムファイルだけなので、ハードディスク上のファイルを扱うのは自由自在という訳ですね。

Q:(貴子)
 あれ? でも起動ディスクで立ち上げた状態って、Windows95ではなくてMS-DOSが動いているんでしょ。

A:(延さん)
 そうだよ。しかしWindows95のファイルをバックアップ、レストアするのに何も必ずWindows95が動いている必要はなくて、MS-DOSでもなんとかなるっていうこと。

Q:(あきつぐ)
 でもMS-DOSって長いファイル名(ロングファイルネーム)とか使えないって聞いたけど。

A:(延さん)
 そう、そこが確かに問題なんだ。MS-DOSはシステムとしてはファイル名に8.3の形式しかサポートしていないのだけど、アプリケーションで工夫するれば何とかなるようになっているんだ。そもそもロングファイルネームというのはWindows95になってサポートされた訳だけど、全く違うファイル名管理方法(ファイルシステム)で実現した訳ではなく、従来のファイルシステム(FAT)を少し改良して、余っていた領域を使って実現しているんだよ。だから従来のMS-DOSやWindows3.1時代から使っていたフロッピーがWindows95でも使えたり、逆にMS-DOSでもロングファイルネームを使う方法があるという訳さ。

 ただし現在Windows95が標準でそのようなプログラムを用意してくれていません。システムで用意したxcopy32.exeというプログラムがDOSプロンプト(DOS窓)で動くので、これをDOSプログラムと誤解されがちなのですが、実はこれはWindows95のプログラムで、DOS窓上でしかロングファイル名を含めたファイルのコピーなどはできません。つまりピュアなDOS(起動ディスクなど)ではこのプログラムを使ってファイルをコピーするとロングファイル名が破壊されてしまいます。またフリーウェアでもピュアーなDOS上でロングファイル名を扱えるソフトは見かけません。市販ソフトかシェアウェアを入手する必要があります。

Q:(あきつぐ)
 何かいいソフトあるの?

A:(延さん)
 僕はシェアウェアのVFATBAKというソフトを使っているんだ。システムのレストアでもう一つ大切なのがシステムファイルの中には、ハードディスク上の物理的に特定の位置に置かないといけないものがあるんだ。まあこれはシステム転送で解決できるのだけど、システムフルレストアソフトには当然このようなことも考慮して動作してほしいわけ。このソフトはこれがちゃんと考慮されているんだ。

 後最近のハードディスクは大変容量が大きいので、たとえ640MBのMOでも全然足りない。だから圧縮マルチボリュームは是非サポートしてほしいところで、その点もこのソフトはバッチリだよ。

Q:(あきつぐ)
 マルチボリュームって何?

A:(延さん)
 あるメディアで足りなくなったら、次のメディアを要求して、自動的に複数のメディアにまたがってバックアップしてくれる機能さ。もちろんあらかじめ容量を計算して最初からフォルダごとに分けてバックアップしてもいい訳だけど、圧縮した場合どれくらいになるか分からないし、第一面倒だよね。バックアップ先が足りなくなったら、別のメディアを要求するようになっていてくれれば、簡単だし安心だね。

 あともう2つ大切なことがある。プログラムの大きさ(サイズ)メモリ消費量だ。何しろ1メガバイトちょっとしかない起動ディスクに入れて使う訳だから、プログラムがコンパクトにできていないと使い物にならない。それとMS-DOSはメモリ管理が稚拙なのでいくら物理メモリを積んでもメモリ不足をすぐ起こすので、メモリ消費量の少ないプログラムでないと、いざというときに使えないということになりかねない。

Q:(憲さん)
 なかなかシステムフルレストアをするソフトは要求されるものが多いということですね。VFATBAKはそのような要求を全て満たしている訳ですか。

A:(延さん)
 そいういうこと。登録料4,000円はこの機能を考えると大変お得な料金だと思います。

 あとWASHというシェアウェアもあって、ほぼ同様の機能を持っています。ただ圧縮に関してはDriveSpeceを使うようですが、それほど面倒でもないようです。こちらは登録料が2,000円なので、機能的に満足できるならこちらの方がいいかもしれません。

 いずれもベクターのライブラリのバックアップツールのページにあり、試用期間中でも全ての機能が使えるので、自分に必要なものを備えているか検討して下さい。

Q:(貴子)
 市販のソフトではないの?

A:(延さん)
 あるよ。ネットジャパンのDriveImageがそう。市販ソフトだけあって機能は強力そのもの。上記2つのシェアウェアソフトはいずれもファイルシステムとしてFAT(FAT32も含む)しかサポートしていないが、こちらはNTFSなどもOK。何しろハードディスクの物理イメージ通りにバックアップしてしまうというのだから、ある意味OSを選ばないからすごい。ただしさすがに少々高い。定価で15,800円。廉価版のDriveCopyというソフトもあるのだけど、こちらは基本的にハードディスク引越しツールといった趣で、機能的にあまりバックアップには向いてませんね。でもパッケージ品が安心という人はいいかもね。

 いずれのソフトもDOS上でMOなどのリムーバブルメディアを認識しなければならないので、起動ディスクを自分の周辺機器にあわせてカスタマイズしなければなりません。これに関しては「起動ディスクでCD-ROMを認識する」をどうぞ。

 とにかくシステムがフルバックアップできるということは非常にありがたいことだよ。何しろWindowsがにっちもさっちもいかなくなっても、ある時点の状態に完全に戻せる訳だからね。僕も随分助かっているよ。何かあった時に以前ならWindowsの再インストールしか救済の方法がないという場面でも簡単に復旧できるようになった。Windowsの再インストールは各設定のし直しやドライバの再インストールなど、その後が大変だからね。上書き再インストールでは完全に直らない場合も多いし。

Q:(憲さん)
 でっでっではWindowsの再インストールとはおさらばできるということですか?

A:(延さん)
 そうだよ。僕は去年の自作と時に最初にインストールして以来、一度も再インストールはしてないよ。トラブルは数限りなくあったにも関わらずね。

 それに非常時のための定期的なバックアップのほかに、何か大きな、または怪しいソフトをインストールする前にあらかじめバックアップをとっておいて、インストール後何か変な挙動をしたらアンインストールではなくレストアで元に戻すという場合にも活用しています。

Q:(憲さん)
 確かに変なソフトをインストールしてしまった場合、アンインストールしても完全に元に戻らない場合が多いですよね。

A:(延さん)
 そう。今僕にとってバックアップは全く日常の作業になっているよ。

Q:(あきつぐ)
 そうか、僕もMOほしいな。


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